私学高校非常勤講師のブログ

首都圏の私学高校で非常勤講師をしています。教育についてなどを中心に書いていきます

語り部がいなくなる近い将来になにを残していくかである

修学旅行生、被爆者に「死に損ない」 横浜の中学校謝罪:朝日新聞デジタル

森口さんは翌日、「たいへん悲しいことでした。多くの被爆者の方に申し訳なく、つらい時間でした」と記した手紙を校長に郵送。返信がなかったため、今月3日に学校へ電話すると、校長から「すみませんでした」と謝罪されたという。

校長は取材に対し、森口さんらと最初に対面した際、男子生徒の一人の態度が悪く、森口さんから「出て行け」としかられた経緯があったと説明。暴言について「逆恨みをして言ったのだろうが、許される言葉ではなく反省を促したい。十分な指導ができず申し訳ない」と話した。今後、生徒の感想文とともに校長の謝罪文を森口さんに送るという。

 森口さんは「こんな経験は初めて。被爆69年となり、戦争や原爆をひとごとと感じているのだろうか。本気で向き合ってもらえなかったことが悔しく、悲しい」と話した。

 
自分で注意しておいて抗議の電話とかどうなのよ。
正直、大人でさえつまらないのに中学3年生が黙って聞いていることに無理がある。語り部の方はどんどん年を取り、話すスピードは年々遅くなる。昔は耐えられたレベルでも今は耐えられないレベルになったのだと認識するべきである。

大切なのは、語り部がいなくなる近い将来になにを残していくかである

 

ぼくらの修学旅行 (角川つばさ文庫)

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教員は公務員の中でも、命の危険がある消防や警察より給与が高いのだ

公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!! : 審判、どこ見てんだ! 公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!! : 審判、どこ見てんだ!

読みました。

 


部活動指導の問題は教育問題とは切っても切れない関係である。

 

体罰の問題しかり、教師の労働問題にしかり。

 

私は大学時代、体育会の部活動に所属しており、就職してからは運動ができないことが一番のストレスだと感じたため教師に転職した。普通の社会人はスポーツをしようと思ったら、スポーツクラブや施設にそれなりのお金を払わなければならない。教師はお金をもらって運動できるなんて最高の仕事だと思っている。このブログで言うところの部活大好き教員である。専門種目の部活動を担当できるよう、私立の高校に多数応募してきた。公立校では、赴任先ごとに担当部活も変わることも多いだろう。いまは努力の甲斐あって専門種目の副顧問である。

 

この方は中学校の教員を目指す段階で、部活動指導のことについては考えなかったのであろうか。
中高の学校教育というのは教科指導だけではない

この方は対応策として小学校の教員を目指すようだが、教科指導だけを行いたいのであれば塾や予備校で働けば良いのではないだろうか。

 

文章をぱっと読んだだけだが、長さや言葉の使い方など、国語の先生だろうか。国語が専門だと予備校は厳しいのだろうか。

 

批判的な文章になってしまったが、教員の待遇改善には大賛成である。

教員の待遇が悪いと世間に認識されてしまうと優秀な人材が教員に入ってこなくなる

 しかし、教員の待遇は今までが良すぎただけではないだろうか。ボーナスの削減などが聞かれるが、教員は公務員の中でも、命の危険がある消防や警察より給与が高いのだ。
はてぶ界隈では教師はブラック職業の認識なのだろうか。

 

高校生のキャリア教育について

高校生のキャリア教育は難しい。高校の教員になるときは、「社会人としての経験を生かしてキャリア教育をしていきたい。」などと面接ではほざいたりしたが、現場に立ってみて難しさがよくわかった。

 

高校ではとりあえずいい大学の普通科に進むことを半ば強制され、スポーツ選手や漫画家などへの夢は諦めるよう指導される。現実は甘くない、とはその通りだが、学校の生徒に求める結果が難関大学への合格一辺倒なのはいかがなものだろうか。


いま、一般的に高校の評価は偏差値や倍率によって決まる。この偏った評価軸のせいで教員には担当生徒の難関大学合格が強いられる。

 

教員に求められる数少ない結果が求められる仕事が大学合格なのであって、それを捨てるのは本当に勇気がいることだ。勉強ができる子に大学進学以外の夢があったとしても、夢を捨てさせて大学受験までさせることが教師に求められる仕事なのか。

この現状を打破するためには、学歴社会の変化が必要である。しかし、学歴に代わる人物をはかるステータスが存在しないことは事実であり、これからも代わることはないであろう。
就活や結婚などの人生に重要な転機では、学歴(会社職業)で評価されるのである。(それに加えて容姿も重要ではあるが)


高校教師としては勉強しろと言うしかないのであろうか。職業選択を見据えて大学でなにをするかを指導するべきなのか。根本的に「労働、仕事とは何か」について指導していきたいところである。


文科省のキャリア教育のページを見ても、あまり力を入れていないようだ。 
進路指導・キャリア教育について:文部科学省 進路指導・キャリア教育について:文部科学省

 

キャリア教育のウソ (ちくまプリマー新書)

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